・ ページ38
宏太side
俺は慧と光へと接し方のバランスを常に迷っている。
今回だって光は、何一つ悪いことなどしていない。
ただ満点を取ったテストを見せて褒めて欲しかっただけ。
たった8歳の子なら当然の行いだろう。
しかも、光に慧の病を一から十まで理解してもらう事は難しい。
甘え盛りの小さな光と心が傷ついた慧。
天秤は水平に保たなければならないのに、どちらかの比重が重くなってしまうような接し方しかできない俺。
どうしても、自らを傷つける行為ばかりしていた時の慧には戻ってほしくなくて腫れ物に触るように扱ってしまう。
何が正解なのか。…どうしたら全員が幸せでいられるのか、毎日答えを探していた。
俺は光の部屋に入って、肩を落とす彼に声をかけた。
宏太「……光。」
「…テスト、よく頑張ったね。偉いよ。」
「…でも、次は宏にぃにだけこっそり教えて？」
光「…どうして？なんで慧にぃには見せたらいけないの？」
宏太「んー、慧はちょっと負けず嫌い、なんだ。…光も自分が失敗しちゃった時に友達にいい点数のテストを見せられたら、悔しいなってならない？」
光「…まあ、なるかも。」
宏太「…うん。分かってくれた？」
光「…うん！わかった！」
光の顔には笑顔がもどって、一安心。
そのまま小さな体を抱きしめた。
宏太「…さっきは褒めてあげられなくてごめんね。」
光「ううん、僕もごめんなさい。」
背中に回された手はぽかぽかで、寒い外を帰ってきたとは思えない温もりだった。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 635人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
新道踏切(プロフ) - リクエストお願いします！伊野尾くんが心臓病でいつも心配してくれるやん家族に反抗期で、冷たく当たる話が読みたいです(*^^*)毎回楽しく読ませて頂いてます！更新頑張ってください!! (2021年1月14日 8時) (
レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あむ
| 作成日時：2020年12月19日 20時
