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雄也side
次の日、医者から渡されたパンフレットを読んでいると隣から元気な声が。
慧「たーかーぎー！おさんぽいこーっ！」
雄也「……いかねぇよ。」
慧「…えぇいいじゃーん！裏庭の方に植物探検行こうよ〜、」
「…一回でいいからぁ〜」
「ね？いこ？たかぎ！」
よくみると、慧の腕には、むにくんにプラスして植物図鑑が抱えられている。
でも俺は、手術の事で頭がいっぱいだった事もあり、いつも以上に諦めが悪い慧にイライラしてしまった。
雄也「……いかねぇっていってんだろ！」
慧「……ふんっ、もう知らない！！たかぎのいじわる！！」
「行こ！むにくん！」
ぷくっと頬を膨らまして怒ったアピールをした慧はペタペタとスリッパを鳴らしながら、病室の外へと出て行った。
俺は、ヘソを曲げた慧に構ってられる暇もなくまた難しい書面に視線を落とした。
・
あの後、俺は検査に呼ばれて病室を離れていたのだが。
何やら、病室の前が騒がしい。
「あ、雄也くん！慧くんどこにいるか知らない？」
雄也「……なに、アイツまだ戻ってないの？」
「お昼の時間になっても帰ってこないから、みんなで探してるんだけど…、見つからないの。」
雄也「…植物見に行くだとかなんとかっていってたけど…」
「おかしいわねぇ、お庭の方はもう見たのよ？…お外は雨も降ってるから…あまり隅々までは見れなかったけど、」
俺は必死に記憶を辿る。
イライラしていて軽くあしらっていた事もあるから会話が途切れ途切れだ。
雄也「……あいつ、もしかして、」
でも一つ。あるキーワードが思い浮かぶ。
雄也「…裏庭。アイツ、裏庭の方行くって行ってたかも！！」
俺がちゃんと聞いててやれば良かったんだ。
この病院には確かに裏庭があるけれど、奥に奥に行ってしまうと、斜面が急で危険なところが沢山ある。
まだここに来て間もない慧は知らないだろう。
雄也「……っ、とにかく早く！裏庭に！」
俺の声で動き出した看護師さんたち。
俺の心には後悔ばかりが募っていた。
怪我でもしていたらどうしよう。むにくんと植物図鑑のせいで両手も塞がっている。
何事もありませんように、と願う事しか出来なかった。
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新道踏切(プロフ) - リクエストお願いします！伊野尾くんが心臓病でいつも心配してくれるやん家族に反抗期で、冷たく当たる話が読みたいです(*^^*)毎回楽しく読ませて頂いてます！更新頑張ってください!! (2021年1月14日 8時) (
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作者名：あむ
| 作成日時：2020年12月19日 20時
