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いつか笑い話になる日まで ページ37
涼介(19)裕翔(19)双子 大貴(19)2人の幼なじみ
涼介side
涼介「あっ、……ダメかぁ、」
裕翔の口に入れたおかゆは飲み込まれる事なく口端から溢れ出た。
最近は双子の弟の不調が続いていた。
裕翔は一年半前から寝たきりの状態が続いている。
発端は交通事故。
俺のダンススクールに迎えにくる途中、両親と裕翔が乗った車が事故に巻き込まれたんだ。
両親は即死。裕翔は3ヶ月ほど意識不明の状態が続いた後、目を覚ましたが重度の四肢麻痺が残った。
意識や知能的な問題は無く、体だけが言うことを効かない状態。
半年、リハビリを続けてやっと手が微かに動くようになった所だったのについこの間、白血病を発症した。
彼の努力は虚しく散って、今ではもう半年のリハビリで得た少しの動きも出来なくなっていた。
裕翔の顔についたおかゆを拭いながらやるせない気持ちになる。
涼介「ごめんな。すぐ綺麗にするからな。」
なんで裕翔ばかりこんなに辛い思いをしなくてはいけないんだろう。
裕翔がこうなったらすぐの時には自責の念に駆られ、毎日毎日涙を流した。
3年続けても、ものにならなかったダンスなんて続けてたから。
俺のだらけた気持ちで被害を被ったのは裕翔である現実に押しつぶされないように、今はただ裕翔のために尽くしたい。
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作者名：あむ
| 作成日時：2020年9月1日 12時
