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慧side
俺は大貴には在宅での仕事を進めたけど、今まで通り会社に行く、と言って聞かなかった。
タクシーを使いなって何度言っても無視。
昨年までは15分で歩いていた道のりを40分以上も費やして通っている。
慧「ねぇ、お兄ちゃん。やっぱりタクシー使おう?通勤ラッシュは危ないって。」
大貴「んー?なんだ俺のこと舐めてんのか?」
俺の頬を右手でむにゅっと掴む大貴。
慧「そうじゃないけど、心配だからさ。やっぱり。」
大貴「ありがとうな。慧。でも俺まだ自分で歩きたいんだ。右足残ったのだって奇跡なんだし。」
言い終えると、手際よく足に装具をはめていく。
左手は拘縮していて使えないから右手だけの作業になるけど、本当に器用にこなしている。
大貴「んじゃいってきます。」
下肢装具をつけて、靴を履いたら、右手にはクラッチ。
慧「気をつけてね。」
クラッチを使って一歩一歩大きく肩を揺らしながら歩いていく大貴。
その背中の大きさは子供の頃見たものと全く同じだった。
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作者名:あむ | 作成日時:2020年9月1日 12時