Want to live . VI

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宏太side


宏太「今年の誕生日は何食べたい？」



侑李「どーせ、食べたいものなんて食べられないし。」



「食べたいって言ったら餃子もパスタもパンも食べさせてくれるの！？違うでしょ！？……そんな事聞かないでよ。」



数日前切り出した話題も裏目に出て、侑李はまた泣いてしまった。



なんとかしてもう少しご飯を食べられるようになって欲しい。



このまま痩せていったら本当に免疫力も落ちて他の病気にかかりやすくなってしまう。



それだけは避けたかった俺は、すがるような気持ちである人のもとを訪れた。



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宏太「ごめんください、伊野尾いますか？」



慧「あ！薮！超久しぶり！」



メールでのやりとりはしていたものの、店を訪れたのは侑李の5歳の誕生日以来だった。



慧「そっか、小麦がダメなんだ、」



宏太「好きだったもの全部食べられなくなって、どんどん痩せていっちゃうんだ、」



慧「俺に任せてよ。侑李くんの誕生日明日だよね？俺がケーキ作る！」



宏太「……あのさ、聞いてた？」



慧「聞いてたさ。小麦がダメなら使わなきゃいいだけの話だよ。」


宏太「そんな事ができるの？」



慧「まぁ任せなって！！明日18時くらいに仕事終わるから、家行ってもいい？」



宏太「ま、まぁかまわないけど。」



慧「よし！じゃあ決まり！」



彼の脳天気な性格を知っているから、多少の不安を抱きつつ、俺は彼の店を後にした。



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