Want to live . VI

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宏太side


5歳くらいの時は慧が一言も話さないことを不思議に思っていたのか、あまり近づこうとしなかったけど小学校に上がったのを皮切りに慧とコミュニケーションを取るようになった。


光「侑李も抱っこする？」


侑李「いい！僕お兄ちゃんだもん！」


両手を差し出した光に対してもこんな感じ。


ちょこんと椅子にすわって静かにパンを食べ始めた。


宏太「慧、明日で8歳だね。」


そんなことも興味ないし、分かってないだろう。


でも分からないから、といって記念日を疎かにしたくない。


経験が少しずつ積み重なればなにかできるようになるきっかけになるかもしれないから。



・

翌日はお休みだったので家族揃って慧の誕生日パーティーをすることになった。


侑李「けぇちゃん。絵本よむ？」


兄たちが支度をする間、侑李が慧にお気に入りの絵本を見せてあげている。


侑李「ほらみてみてけぇちゃん！くまさん！」


侑李が指をさしてもその絵を捉えられていないし表情も変わらない。


それでも侑李は慧にひとつひとつ教えてあげている。


圭人「慧ちゃんも8歳かぁ、えぇどうしようあと2年もすれば涼介みたいに生意気になっちゃうのかなぁ、」


涼介「なんだよ圭人！きこえてるからなぁ！」


雄也「確かに慧ちゃんにはずっと純粋なままでいて欲しいよなぁ」


涼介「ねぇひか！兄ちゃんたち遠回しに悪口いう！」


飾り付けの最中も我が家はすごく賑やかで。


慧が言葉を話すようになればもっともっと楽しくなるんだろうなぁと思った。



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