Want to live . VI

笑顔のループ ページ21

宏太(25)光(23)雄也(20)大貴(17)
裕翔(16)圭人(13)涼介(10)侑李(8)
慧(7)家族設定

宏太side


9人も兄弟がいるといろいろ大変なんじゃない？


そう言われることも珍しくない我が家。


確かに毎日、どこかしらで起きてる兄弟喧嘩やら生活費やら家の狭さやら。



頭を悩ませてくる問題は沢山あるけど、そんなこともちっぽけに思えてしまうくらい、この家は沢山の笑顔で溢れている。


大貴「だーいーき！だいき！」


涼介「やめてよ大ちゃん！変なこと吹き込まないで！！」


大貴「変なことってなんだよ！俺の名前だよ！！」


裕翔「慧ちゃんはゆうとって始めに言うよなー？」


涼介「違うよ！りょうすけだよ！」



朝から何やら言い合うやんちゃ3人組。


その3人に囲まれてぽかーんとするのは末っ子の慧。


宏太「こーら！もう終わり。慧ちゃんびっくりしちゃってるよ。3人とも着替えてこないと学校おくれるよ？」



3人の輪の中から慧を抱き上げると、渋々支度をしにいった。


宏太「まったく驚いちゃうよなぁ？」


くりくりおめめをぱちぱちさせる慧はやっぱり可愛い。


慧は明日で8歳になるけど、未だ発語がない。



病院に行くと知的な障害があるかも知れない、とだけ言われた。



初めはうんともすんとも言わない慧をみんな心配したけど、マイペースな子なんだねって思うようにしている。


だからさっきのように兄たちが、自分の名前を1番に言わせたくて毎日慧を取り囲んでは大きな声で教えているのだ。


侑李「おはよぉ、」


目を擦りながら降りてきたのは下から2番目の侑李。



光「おはよ侑李。」



学生組はみんな学校に行ったから家にいるのは俺と光と侑李と慧の4人。


侑李「けぇちゃんおきてるのぉ？」


光「んー？慧ちゃん今朝は早かったよ。」


侑李「けぇちゃん。おはよっ」


侑李にとってはたった1人の年下。



お兄ちゃんたちにはいっぱい甘える癖に慧に対してはちょっと大人っぽく振る舞う。



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