Want to live . VI

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慧side

明後日まで遠足が差し迫った日。


今日こそはって早起きをしたのにもうパパはいなかった。


慧「雄也、パパもういっちゃった？」


雄也「今日から泊まりで3日間出張だってよ。」


慧「……えっ、」


雄也「食べ物はそこのお金で好きなもの買ってだって。」


3日間。


確実に遠足には行けないんだ。


もっと早く見せれば良かったって気持ちと見せてたら迷惑だったかもしれないしこれで良いやって気持ち。


心の中がぐちゃぐちゃになって、大切にしまっておいたプリントをビリビリに破いて捨てた。


慧「……仕方ないもんね。」


ゴミ箱の中で光る、蛍光ペンで付けた印。


それも見たくなくて乱暴に蓋を閉めた。



・

「慧くん、お家の方は？」


慧「パパ、忙しいから。」


お父さんやお母さんが来てなくて1人ぼっちだったのは僕だけ。


みんな楽しそうに笑ってる。


「先生と回ろっか？」


慧「へいき。1人でも大丈夫。」


リュックやレジャーシートがしまってある場所も分からなくて、コンビニのレジ袋だけ持って集合場所に来た。


早くみんなが見えない場所にいきたい。


羨ましいって思っちゃう。


僕は先生の誘いも断って1人で離れた大きな木の下でコンビニで買ったおにぎりとサンドイッチを食べた。


大好きな鮭おにぎり。いつもは塩辛く感じるはずなのに今日は殆ど味を感じなかった。


慧「ごちそうさまでした。」


たった1人で解散時間までの時間を潰した。


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