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今日の涙は、明日の笑顔 ページ2

慧(23)涼介(17)兄弟設定

慧side


これでここに足を踏み入れるのは何度目だろう。



薬品の匂いと白ばっかりが立ち込める場所。



いつも通り一階の売店に立ち寄ってから、運動がてら5階まで上がる。



長い廊下の1番端っこの部屋。



慧「…涼介ー、」



寝てると行けないからそーっと扉を開けて中を覗くと、ベッドのリクライニングを起こしてゲームをする弟の姿。



涼介「お兄ちゃん、今日も来てくれたんだ。」



ゲームをベッド横のテーブルに置いてふんわりと笑う。



少しはだけた病院着の隙間から胸元に白いテープが見える。



慧「また発作でちゃった?」



涼介「昨日の夜中、止まらなくなっちゃって。」



慧「苦しかったな。」



涼介が幼稚園の年中さんのとき俺たち兄弟は片親だった父を亡くし、そのショックから涼介の持病の喘息が悪化。



幼い時から長い入院生活を強いられていて、まだ退院の目処も立っていない。



涼介「……へいき、すぐに先生が来てくれたから」



心なしかまだ喉のあたりから空気の音が漏れていて苦しそう。



涼介「……げほっ、……っ…けほっ、」



そんな事を言ったのも束の間、涼介の体は前屈みに曲がって咳き込み始めた。



涼介「…….っは、えほっ、……っごほっ…」



落ち着くまで涼介の背中を撫でてやることしかできない。



涼介「……けほっ、……っ……もぅ大丈夫、ごめんね、」



まだ少し苦しそうに眉間にシワを寄せながら、ベッドの背もたれに身を投げた。




慧「一応先生、呼ぶ?」



涼介「んーん、薬よりもお兄ちゃんが背中を撫でてくれている方がいい。」



涼介の甘えん坊は病気が重くなった当時から変わっていない。




・→←作者より



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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 病系 , 短編集
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りー。 - コメント失礼します!主様の作品とても大好きです!まだ読んでる途中ですが、もしよろしければHOPEの続きを出していただきたいです。検討よろしくお願いします。 (2021年2月10日 23時) (レス) id: 669c167ab0 (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - 凪さん» 読んでいただいていると聞いて一人でにやけてしまいました笑 これからも素敵なお話、待ってます。 (2020年7月4日 21時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 青空と虹さん» コメントありがとうございます( ; ; )私も主様の作品読ませて頂いたことあります!特に「不器用兄弟」がすごく好きです。 スローペースにはなりますがこれからも読んでいただけると嬉しいです (2020年7月4日 13時) (レス) id: 1693d0e47d (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - こんにちは、いつもお話読ませていただいています。あたたかいお話が沢山で、いつも読み終わると満足感というか、胸がいっぱいになります。これからも、あむさんのペースで更新して頂ければ嬉しいです。いつもありがとうございます。応援しています。 (2020年7月4日 3時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あむ | 作成日時:2020年6月17日 19時

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