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桃side
終業式のために体育館に一堂に会した全校生徒。誰1人として多分校長先生の話を聞いていないだろう。
下を向く者、セーターの袖口をいじる者、ひそひそ声で友達と話す者。
俺も話を聞き流しながらそんな人たちの観察をしていた。もう、終わるだろと気を抜きかけていたその瞬間に肩にずしりとかかった重さに俺は膝がかくんと折れる。
こんなことする人、たった1人だろう。
桃「ちょっと、樹…！」
青「んー？」
俺の首に後ろから巻きついて抱きつく樹の声色は何も悪いことをしてるつもりなどない感じだ。
桃「離れて…っ」
先程のこともあって樹の行動に敏感になっていた俺。しかも場所が場所だし。
ついに耐えきれなくなって樹のお腹の辺りを押してしまった。
やばい、と思った時にはもう遅く、目の前に尻餅をついて倒れている樹がいた。倒すつもりなんてさらさら無かったけれど、彼の行動を止めるには力づくしか方法はなかったんだ。
気まずい沈黙と周りから注がれる冷たい視線。
青「……っ、おこったの？きらいになった、？」
「….ふぇっ……ひっく、ぅっ、」
床に座り込んだまま顔を手で覆って泣き出した樹。まるでそれは駄々をこねる3歳児のようだった。口調も泣き方も仕草も全て幼い彼になんて声を掛ければ良いのかわからない。
青「…だっこ、」
桃「…え？」
青「ぎゅーしてっ、？」
かと思えば、泣き顔のまま俺にまっすぐ両腕を伸ばす樹。その顔を見つめながら考えて考えて考えて、出てきた言葉は。
桃「………ごめん。」
のたった3文字だった。
すると騒ぎを嗅ぎつけた職員が駆けてきて、泣きじゃくる樹の背を摩り始める。
「樹くん、大丈夫だよ。ゆっくり呼吸しようね。」
樹はその手の温もりに安堵したのか、養護職員の首に腕を巻き付けると、そのまま職員に抱えられて体育館から連れ出されていった。
体育館の少し古びた床に、樹の涙がぽつぽつと残されていた。
fin
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は - 何で他5人全員書いてんのにジェシーだけ書かないの？ジェシーイジメ嫌がらせ怖 (1月18日 0時) (
レス) id: e82707ab22 (このIDを非表示/違反報告)
. - コメント失礼致します。ジェシーの病系のお話も、書いて頂きたいです。宜しくお願い致します。 (7月27日 4時) (レス) id: e82707ab22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばにら | 作成日時：2022年11月16日 7時
