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桃 side
俺、ちゃんと笑えてたかな。何とも思ってないように振る舞えてたのかな。
樹と慎太郎がいなくなった病室で、手鏡で自分の顔を見る。前までの自分の面影が消え去った見た目はやっぱり自分の目にも醜く映る。
見ていられ無くなって手鏡を棚に戻す。
桃「…ぅ゛っ、…」
胃からせり上がってくる胃酸の香り。口を手で覆って何とか押しとどめる。けれど先に出てきたのは涙の方だった。
息子の1番大切な時期にそばにいてやれないこと、自分が自分で無くなっていくことへの悔しさと惨めさ、そして悲しさ。
俺はもう樹にとって必要ない存在なのではないだろうかと考えるだけで、呼吸が乱れ、吐き気がした。
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桃「……ん、」
体調の悪さをなんとか誤魔化しているうちに、眠ってしまったのだろう。外は薄暗くなり始めていて、窓から吹き込む風も冷たかった。
緑「……大我、起きた？」
桃「しんたろ…？じゅりも、いる。」
幻を見ているのかと思った。それくらい頭はふわふわしていてまだ焦点が定まらない。
緑「うん。いるよ。…樹、自分で言いな。」
青「パパ、おたんじょうびおめでとう。これね、ほいくえんでかいたの。」
桃「これ、樹が？」
樹が俺に手渡したのは1枚の画用紙。前まで絵を書くことを嫌がっていた樹が書いたとは想像できないくらいの出来。
桃「じゅりが、かいてくれたんだっ、？」
「おえかき、上手になったんだねぇ、っ」
青「ぱぱ、ないてるの？」
桃「うれしいんだ、すごく。樹が書いてくれた絵見てたら元気になれそう、なんだもんっ、」
つい、いつもの癖で樹、おいでと手を広げそうになって思いとどまる。また、拒絶されたら…と手が震えた。
青「ぱぱっ…！」
でも樹は、慎太郎の膝の上から身を乗り出して俺の胸の上に収まった。
桃「…樹っ」
青「ぱぱ、だいすき。」
迷いで震えていた俺の手を、そっと慎太郎が取って樹の背中に回した。慎太郎の顔が大丈夫、と訴えかけてくれてそのままぎゅっと抱きしめた。
大袈裟なんかじゃなく、生まれてきた良かったとその瞬間に体全体で感じた。
fin
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は - 何で他5人全員書いてんのにジェシーだけ書かないの？ジェシーイジメ嫌がらせ怖 (1月18日 0時) (
レス) id: e82707ab22 (このIDを非表示/違反報告)
. - コメント失礼致します。ジェシーの病系のお話も、書いて頂きたいです。宜しくお願い致します。 (7月27日 4時) (レス) id: e82707ab22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばにら | 作成日時：2022年11月16日 7時
