moon (ページ9)

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☆booking　【黒】ページ9

🦅(19)

赤 side

大学で出た課題が思いの外難しくて、資料集めに市内で一番の蔵書数を誇る図書館に足を運んだ。

空間いっぱいに立ち並ぶ本棚と隙間なく綺麗に並べられた本。

この中からお目当てのものを探し当てるのは難しくて、検索機能を使ってその本がある棚を調べる。

印字されたシートと棚を見比べるけど、外国暮らしが長かった俺は中々タイトルを見つけるのが難しい。

赤「すみません、この本を探しているのですが…。」

スタッフのプレートをつけていた人に声をかけて、シートを見せる。

俺の手の中のそれを一瞬見ると、すたすたと歩いていく。ついてきてくださいって事なのかな。

『……シリーズ全5種、3は貸出中、5は167ページページ上部の破損により修理中。』

棚にたどり着くと一瞬で俺の探していた本を引き出して並べてくれる。

『シリーズ1作目は、3度の重版が掛かっていてその後2009年に賞も受賞している…』

流暢に続けられる本の説明。表紙だけしか見てないのにそんな情報まで分かるなんて。顔色ひとつ変えず本の説明をしていく彼。

それらの本を突然開きながら床に広げ、指先で文字をなぞるような仕草。

『シリーズ2作目、68ページ右から3行目…ここのセリフ凄く好き…』

案内してもらったのだからお話は最後まで聞かないと行けないなって、俺も彼の隣にしゃがむ。

彼の説明ほ聞けば聞くほど面白くて、俺も思わず聞き入ってしまった。

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