moon (ページ5)

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☆おなまえなあに　【黒】ページ5

🦅(15)

青 side

緑「やべぇ、まーじ緊張するんだけど。」

青「何でパパが緊張するの。おかしいでしょ。」

緑「だってさあ…一応息子の晴れ姿よ？」

朝からそわそわしっぱなしのパパ。用意されたパイプ椅子に着席してからも立ったり座ったりを繰り返している。

今日は、自閉症を持つ弟の北斗の転校が決まった特別支援学校に初めて登校する日。

パパの転勤の都合で中途半端な時期での仲間入りとなったものの、先生方が「せっかくだから入学式とまではいえませんが、歓迎会をしましょう」と提案してくださったのだ。

急な環境の変化がストレスに繋がる北斗には何週間も前から説明をして何とか今日を迎えた。

小さなホールに少量並べられた椅子。学校の生徒たちも北斗のために集まってくれていた。

この日のために購入したフォーマルな服に身を包み、前に座っている北斗。隣に先生が付いていてくれているけど、緊張しているのか肩が上がって首が無くなっている。

そんなほっくんを見て俺はスマホで写真を撮る。やべぇ、まーじ可愛いな。待ち受け決定。

穏やかなボリュームなマイクがこの学校の素晴らしい配慮を表している。ゆるっと始まった式。北斗は自分に視線が集まっている事を感じたのか瞬きが早くなった。

［それでは皆に新しいお友達を紹介します。お返事お願いします。松村北斗くん。］

［あれ？ほくとくーん？］

名前を呼ばれたのに無反応な北斗。マイクからぷいっと顔を逸らしてパイプ椅子の上で膝を立てる。

そのまま足の裏を座る所にべちべち叩きつけながら下を向いている。先生の顔ちっとも見てない。

緑「あぁ、ほっくん…がんばれ、」

青「知らんぷりモードだなあれ。」

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