☆おしゃれさん 【赤】 ページ30
🦓(16)知的もちの自閉症くん
パパ🦔 特支の先生🐻
黄 side
黄「ジェシー、それは暑いんじゃないか…？」
赤「んぅ〜ん！んぁ、」
朝のお着替えの時間。
洋服は自分で選べるジェシーだから毎日任せているものの、最高気温27度が予想される今日、持ってきたのはウィンドブレーカー素材のジャケットとズボン。
基本手触りがしゃかしゃかする素材のものと見た目が派手な洋服がとても好きらしく、柄物だったり色使いが奇抜なもので我が家のクローゼットは埋め尽くされている。
本日のコーデは、蛍光イエローベースに黒いラインが特徴的なジャケットと白と黒の柄が全体に広がるボトムス。
ジェシーの一番のお気に入りコーデだ。
黄「こっちにしない？これもかっこいいよ？」
タンスの奥からTシャツを引っ張り出してきてジェシーに見せるも聞く耳持たず。
赤「んーん！！」
俺に洋服を渡してきて、着替えさせろの要求だ。
黄「わーかったよ、ほれ、」
ズボンを広げてやると俺の肩にぎゅっと捕まりながら足を通すジェシー。
前庭感覚がまだまだ弱いから片足を上げて立つっていうのが難しいんだと思う。1人でお着替えできるようになるのが今の課題かな。
よろよろするジェシーをアシストしながら、何とかお着替えを終了させて、支援学校のバス停に連れて行く。
添乗していた慎太郎先生に「ジェシーくん、今日もおしゃれだね！」とバスに迎え入れられ、とても嬉しそうに肩を揺らしていた。
バスに乗り込むと窓ガラスに張り付いてにこにこ顔で俺を見下ろしてくる。
黄「いってらっしゃい。」
聞こえないかもしれないけど、言葉の意味を理解できないかもしれないけど。
それでも俺が口を動かすと、ジェシーは笑う。
だから俺は何回だって伝えるよ。
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作者名：ばにら | 作成日時：2022年2月13日 16時
