moon (ページ23)

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黄 side

結局いつもと違うご飯は北斗のお気に召さなかった様で、ドリアに使わなかったあまりのご飯にふりかけを食べている。

黄「おいしい？北斗。」

フォークで白米をかき込む北斗をぼんやり見つめていると、突然部屋の照明が薄暗くなる。

青「Happy Birth Day to you〜♪Happy Birth Day to you〜♪Happy Birth Day dear パパHappy Birth Day to you〜♪」

樹の歌と共に奥から蝋燭が立ったケーキが運ばれてきて俺はびっくり。

青「おめでとう！パパ！」

黄「消していいの？」

青「うん！」

黒「ふぅ〜っ」

青「あ、ちょっとほくと！！」

黒「っ、きゃはっ」

俺が消す前に身を乗り出した北斗が蝋燭をひと吹き。きれーいに全部消されてしまった。

電気をつけると樹は不満そうな顔をしているけれど、北斗はけらけら笑っていて。そんな空間が俺たちらしいと思う。

青「もう……せっかく用意したのに…。」

黄「樹、北斗。こっちに来て。」

不貞腐れた樹と手を叩いて笑う北斗。2人を呼び寄せて、腕の中に閉じ込める。

未熟児で生まれて、感染症を経験し一度は医者にまで匙を投げられた樹。

まだまだ適応が難しい世界で、人から距離を取られがちな北斗。

でも2人はこんなに大きくなってくれた。俺の腕でぎゅっと抱きしめられるほど成長してくれた。俺はそれだけで本当に幸せなんだ。

黄「ありがとね、樹。北斗。」

くすぐったくても、今日だけは許してよ。だって2人の笑顔が何よりのプレゼントなのだから。

fin

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