moon (ページ22)

今日:31 hit、昨日:66 hit、合計:219,716 hit

・ページ22

黄 side

青「北斗！飯だってば、冷めちゃうよ…！」

黄「じゅーり、いいよ。先に食べていよう？」

青「…っ、でも！せっかく用意したのに。」

ローストビーフにピザにドリア。沢山並んだご馳走は俺と樹で用意した。樹はどうしても俺の誕生日パーティーをここでやりたかったらしい。

けれど飯が出来ても、久しぶりのコテージにテンションが上がった北斗は未だ木目なぞりに没頭中。

樹が声をかけても、全く反応しない。

黄「北斗が食べたくなれば自分から来るさ。ありがとう、樹。気持ちだけで嬉しい。」

何かと窮屈なこの世界で、家族の前でまで我慢するのは違うかなって思う。だから北斗は北斗のままに。俺たちの前ではそう居て欲しいから。

青「…わかった。じゃあ、先に食べる。」

黄「そうだね、いただきます。樹、どれから食べたい？取り分けるよ。」

青「んー、ドリア！」

黄「おっけーい。」

きょうだい児であることで、知らぬところで苦労や我慢をさせてきたであろう樹。だからたまには2人の時間も作ってやらないとな、樹とご飯を食べながら思った。

・