moon (ページ20)

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☆とんとん　【黒】ページ20

🦅(16)双子兄🦁
以前Twitterのみじかいおはなし置き場で書いた双子ちゃんの世界線です。

青 side

『う゛ぁ゛〜〜っ』

現在時刻は夕方18:00。飯前だけど、テレビの前で北斗がぐずってる声が聞こえる。

睡眠障害が酷い北斗は昨日も夜中に起きてしまって朝方まで眠れなかったから、限界なのだろう。

カーペットの上で、お気に入りのブランケット握りしめて。ぬくぬくしたから眠くなったんかな？

「ほくと、眠いんならベッド行こ？」

『ん゛ーっ、じりじり鳴ったらご飯です、っほっくんねむいよ〜っ』

いつも18:30きっかりにセットしたアラームが鳴ったら夜ご飯の我が家。時間はきっちり決めたい北斗のこだわりに合わせているのだ。時計は読めないから、じりじりってなる音が指針なの。

まだご飯を食べられていなくてルーティーンの遂行が中途半端である事と眠気とがぶつかりあっている北斗。

言っていることにも、北斗の困惑が見え隠れしている。こりゃ機嫌も悪いしパニックになっちゃうかなって思って身構える。

けれど北斗は意外にも冷静であった。

『じゅり、っ、ｸﾞｽｯ、とんとん、ください、っ』

「とんとんすんの？じゃあベッドのお部屋行こ？」

どうやら今日は眠気が勝ったらしい。いつも俺が抱っこして、背中をとんとんしてやりながら北斗を寝かしつけしている。北斗的にはこのとんとんが寝る時のルーティーンなのだ。

ご飯か寝るのか。自分で決断できてとても成長しているなと感じる。

寝室について、北斗を膝に乗せてやりながら背中をリズム良く叩く。北斗は俺の肩に顎を乗せてリラックスしている。

『……とん、とん……とん、と……ん、』

北斗の背中で弾むリズムに合わせて、北斗もとんとんを口に出している。ここまでくると、完全に体の力が抜けている状態。きっともうすぐ寝ちゃうな。

俺の耳たぶをもにょもにょしながら、夢の世界に行ってしまった。

上に乗っかる俺よりも一回りおっきい北斗は、体温がもともと高いこともあって湯たんぽみたいにあったかい。

俺は欠伸を噛み殺しながら、北斗の睡眠を崩さぬように任務に徹した。

fin

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