moon (ページ18)

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☆べったり　【青】ページ18

「それも優しさ」の世界線
🦁(19)双子の弟🦅 2人の兄🦔

黒 side

毎週金曜日の夜。我が家には家族揃ってアイスを食べる習慣がある。

1週間お仕事、学校お疲れ様ってお互いを労い合うためのこの時間は俺たちが幼い頃からずっと続いている。

優吾が冷凍庫を開けた音で樹はすぐにキッチンに走っていく。冬のさむーい時期でも、樹は氷菓子系のアイスが好きで今日もお気に入りの棒アイスを手に嬉しそう。

包装は上手く剥げないからいつも俺の手に押しつけて「開けろ」のアピール。

黒「樹、あーけーて、でしょ？」

青「……ん゛〜、！」

黒「はいよ、ごめんね今開けます。」

結局今日も誘導は失敗して、アイスを力一杯俺の手に押し付けてくるのだかる冷たいったらありゃしない。

黒「どうぞ。」

俺が包装を剥ぐと同時にすぐにアイスはひったくられて樹の手の中。カップのアイスは好きじゃないみたいで頑なに食べない。

樹の頭の中ではアイス＝棒付き、の方程式が成り立っているのかな？

黄「あーっ、樹。反対、垂れてるよ！くるってしてごらん？」

溶けていくアイスを器用に食べることはまだ少し樹には難しいから、すぐに机にあまーい水滴が落ちる。

黄「ちゃうちゃう、ちがーう！樹、自分が回るんじゃないの！」

黒「あーあー笑ひっどい！」

青「……？」

溶けかけのバランスの悪いアイスを手に席を立って自分がくるんと一回転するものだから、もうてんやわんや。

アイスのかけらがフローリングにぽとぽとと落ちて、お掃除係の優吾は発狂寸前、笑

樹は三半規管が強いのか、支援学校でも高速回転して先生たちを困惑させてたもんね…。久しぶりに回転士(？)の血が騒いだのかな。

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