Princess of LDH (ページ32)

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𝐓𝐚𝐤𝐚𝐡𝐢𝐫𝐨 ページ32

敬浩side

臣に強く言われて部屋をでたAを追いかけた。

部屋に入ると、作業用の椅子に丸まって座るA。

敬浩『A。』

作業用の椅子を俺の方に向けて

敬浩『Aの気持ち聞かせてくれない？』

A『敬ちゃん…』

敬浩『今日はいっぱい話聞いてやる。臣にも壱馬にも言えないこと。』

そう言ってAの頭を雑に撫でた。

A『私ね、剛典のことずっとずっと忘れないとって思ってた。

初めて恋した人で私の身勝手でお別れして、私だけ幸せになっていいのかって。

剛典は初めての感情をたくさんくれた人なの。

思い出になんてできない。何もかも無かったことにしないといけないの。』

敬浩『ほんとにそう思ってる？

岩ちゃんはいつまで経っても初恋の人なんじゃねーの？

すきですきでたまんないんじゃないの？

臣みたいにお兄ちゃんとして見守って欲しいんじゃないの？』

A『うん。思い出に変えて、ずっとお兄ちゃんとして見守って欲しい。

剛典にはちゃんと幸せになって欲しい。ってずっと思ってた。

だけど、それを口にすると剛典の中から私が消えちゃうんじゃないかって怖かった。

でもそんなことさえ、わがままで自己中だって分かってるから。』

敬浩『よーく考えてみ？ほんとにそう思う？岩ちゃんがAを心の中から消すと思う？

あいつはぜっったいそんな事しねぇよ。

そんなことAが1番分かってんだろ？

岩ちゃんが壱馬には言って欲しいって言うのは、自分の中でAを妹として見守るためだったんだよ。

ずーっと恋愛感情の好きを消せないから、どうにか区切りを付けたいんだよ。』

A『ん…壱馬はあたしの剛典に対する思いを話したら居なくならないかな？

こんな中途半端な気持ち聞いて嫌にならない？』

敬浩『そんなの壱馬に聞いてみないとわかんねぇだろ？

壱馬なら絶対いなくなんねぇよ。

だよな？壱馬？

お前聞いてんだろ？』

ｶﾞﾁｬ

壱馬『Aごめん、聞いてた。

俺はAがもういやっていっても離してやんねぇ。』

A『壱馬…』

壱馬『だから、ちゃんと岩さんと話しな？

おれは思い出に出来ないままAの中で岩さんいる方がやだ。』

A『わかった。』

Aの言葉を合図に俺は一旦外に出た。