ド派手に追いかけられる身にもなって欲しい[宇髄天元][短編集]

合同任務 ※リクエスト ページ21

宇｢煉獄なら心配いらねぇな｣

煉｢うむ！任せてくれ！！｣

｢煉獄さん もう深夜なので声の大きさを…｣

煉｢あぁこれはすまない！では行くとしよう！！｣

｢いや何一つ変わってないんですが！｣

宇｢煉獄なら大丈夫だ しっかりとその目に焼き付けてこい｣

｢…！はい！！｣


あの宇髄さんが珍しく行ってこいと言ってくれた

それだけ炎柱 煉獄さんに対する信頼感は強いみたい

前に少しだけ聞いた事がある
煉獄は自分の役目を分かっている
俺は煉獄のようには出来ねぇと言っていた

確かに煉獄さんのように私も出来ないと思う

けれど鬼殺隊の誰もが思っている事はただ1つ

“鬼舞辻無惨を倒し､平和な世の中にすること”


煉｢浮かない顔をしているな｣

｢あっ…すみません 少し考え事をしていて……｣

煉｢俺で良ければ話を聞こう｣

｢…どうすれば煉獄さんのように強く逞しく
誰からも信用されるような人になれますか？｣

煉｢よもや！そんな風に思ってくれていたとは
嬉しい限りだ！！｣


一瞬静かな声を掛けてきた煉獄さんに驚いたけどすぐに明るく笑いだした

煉獄さんはピタリと足を止め私の方に振り返る


煉｢俺は俺の責務を全うするだけだ それに君は強い
少し御館様から聞いた話だが幼い頃にご両親と弟を亡くし
5年間ほど1人で暮らしていたそうだな｣

｢…はい｣

煉｢きっと俺にはそれが出来なかっただろう
自分の親と兄弟を亡くした悲しみに打ちのめされ
前を向くことすらできなかったと思う

だが君は前を向き今こうやって鬼殺隊として戦っている
充分に君は強い

日々精進すればいずれ君を認め信用してくれる人ができる
既に宇髄が君を迎え入れたようにな！

それに君は部下達の面倒見もいいと聞いている
竈門少年が俺によく話してくれる

先日は冨岡との合同任務だったそうだな
彼は彼なりに君に感謝している

君は人を想い手を差し伸べる事が出来る
人に寄り添うことが出来る
そういう事は簡単に出来るものでは無い

もっと自分自身に誇りと自信をもっていい｣

｢ありがとうございます…｣


思わず目から涙が溢れた

そんな私を見て煉獄さんは大きな暖かい手で撫でてくれた

宇髄さんが煉獄さんを信頼し尊敬している意味がわかる
この人は本当にどこまでも強く心が熱い人だ


煉｢続きはまた後で話そう！今は鬼退治だ！！
行くぞ！雪の少女！！｣

｢はい！！｣


夜の街へと溶け人々の命を救う為
私達鬼殺隊は刃を振りかざす

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