2、ぴょん助の段 ページ2
「あ、Aおはよ」
「皆おはよー」
食堂でAセットの鮭定食を頼むと、忍たまの五年生が一つの机に集まっていた為そちらへ移動する。
「そう言えばA、勝手に飼育小屋からぴょん助持ち出したでしょ!」
「え、……知らない」
しばらくの沈黙の後、Aは口に白米を含む。
「食後直ぐに俺の部屋にぴょん助を連れて来る事!」
「え、嫌だよ!まだぴょん助と少ししか遊んでないもん」
「じゃあ今度また飼育小屋に一緒に行こう?それじゃ駄目か?A」
ビシッと竹谷に指を刺されるAは不貞腐れたように頬を膨らます。
それを見兼ねて尾浜が一つ提案をすると、渋々その案に頷いた。
「全くAはやる事が大胆だなぁ。でもA、ちゃんと謝れよ?」
そう笑い出す久々知だが、しっかりと説教も交える。
「ごめんなさい……ぴょん助に餌あげてたら、連れて帰りたくなって我慢できませんでした」
「そう言って今まで連れ出した動物は数知れず」
Aが申し訳なさそうに竹谷に頭を下げるが、鉢屋が鋭く口を挟む。
「だって可愛んだもん。三郎だって可愛かったら部屋に置いとくけど、可愛くないから置いとかない」
「別に置いてほしくもない」
こう始まっては面倒だ。
Aと鉢屋は仲が悪い訳ではない。
しかしどちらも引かない性格の為、時にこう言う場面に出会す事がある。
「まぁ二人とも。早く食べてAはぴょん助を返さないとだろ?三郎も木下先生に用があるんだから」
今回は上手く不破が宥めて、五年生の食事は再開された。
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作者名:もやし | 作成日時:2020年12月13日 20時