音楽委員会委員長代理！【七松小平太】 (ページ1)

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1、ずぼら先輩の段ページ1

「いや～良い天気だ」

くノ一教室の高学年は数名しかいない為、五年生のAは六年生の湯釣と同室である。

湯釣は縁側で呑気に饅頭を食べているが、部屋で布団を畳んでいるAは呆れ顔。

「どこが良い天気なんですか。そんな所にいると風邪引きますよ」

こんな北風と大雨の中、この人は何をしているのだろうか。

Aは中々部屋に戻って来ない湯釣の分の布団も畳むと、食堂へと足を向ける。

「ちょっとA！私を置いて行くな！」

「朝から饅頭なんて食べて、朝食入るんですか？」

「勿論。なんたってこの湯釣浬、食に関してはしんべヱと分かり合える位だからね」

「それより委員会の件なんですけど、いつ予算をもらいに行くんですか？」

「そんなの委員長代理のAが行けばいいじゃないか」

音楽委員会委員長の癖して、湯釣は全くと言って良い程働かない。

これには流石に学園長も黙っていられなかったのか、六年生の湯釣を差し置いて五年生のAを委員長代理に任命した。

「予算だけは委員長でなければ駄目だと潮江先輩が言ってますよ」

「じゃあ他の委員会はどうなんだ？委員長代理の委員会だってあるだろう？」

「委員長代理の私もいますが、それ以前に委員長の湯釣先輩がいます」

「……文次郎め！」

悔しがる湯釣を他所に、Aはそそくさ食堂へ歩いて行った。