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3、先輩 ページ3

「嫌いな訳ないだろ?なぁ尾長!」


白黒はっきりさせたいAの頭を、木兎はわしゃわしゃと撫で回す。


「は、はい!」


「だよなだよな!Aを嫌いな奴なんてこの部には一人も居ねぇよ!」


まるで当然かのようにはっきりと言い切る木兎に、Aは黙らざるおえない。


「心配する事ないし、尾長も緊張してるだけだから気にすんな!」


「はい、……皆ごめんなさい」


木兎が放った言葉に全員がしっかりと頷く。


「俺はAのハキハキしてる所好きだぞ」


「俺も俺も。スポドリも好みに分けてくれるのとかマジありがたいし」


「Aが洗濯すると、タオルがふわっふわだしな」


次々と体育館のあちらこちらから褒め言葉が飛んでくる。


「ありがとーございます!」


嬉しさが込み上げてきたAは、満面の笑みで声を張った。


「A先輩、こっちにもタオルお願いします!」


「りょーかい!」


レギュラー以外の部員から声が上がると、Aはタオル山積みのバケットを抱えながら物凄い勢いで走って行った。


「ちょっと皆さーん?私達が作るスポドリは問題があるって事?」


「私達が洗濯すると、タオルがゴワゴワになるって事〜?」


鬼の顔をしたマネズを宥めるのは一苦労だろう。レギュラーメンバーは慌てて赤葦に視線を向ける。


「今まで二人だったのでスポドリを好みに分けるのなんて不可能ですよ。タオルも、Aが勝手に洗剤を変えたからだと思いますし。お二人とも、いつも俺らの為にありがとうございます」


赤葦に続き他のメンバーは慌てて頭を下げ、日頃の感謝を伝えたのであった。

4、幼馴染との昼食→←2、マネージャー



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作者名:もやし | 作成日時:2021年3月10日 22時

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