好きと気付いたバレー馬鹿【木兎光太郎】 (ページ8)

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8、デートページ8

「なんか今日さ、赤葦冷たくなかった？Aにだけだけど」

「あーそれねwまぁいつもの事だよ」

Aに彼氏ができると、しばらく赤葦は冷たくなる。
別に意地悪される訳ではないので、Aは特に何にも感じていないが。

「それより夏目見て！この英語メッチャかっこ良くない？！」

「かっこいーけど、A英語できねーじゃんw」

「うるさいな。ちゃんと頑張ってるからー」

ただいま二人は放課後デート中。
駅前のデパートの中にある、スポーツショップに訪れている。
……ここだけの話、来ているのは二人だけではない。

「赤葦っ！男がAに三歩近付いたぞ！」

「……木兎さん。流石に俺でも尾行はしませんよ」

「だって白福と雀田が、放課後Aがデートするって言ってたから……」

「何でお二人はAがデートする事を知ってたのですかね」

「Aから聞いたって言った！その後俺が幾らAに聞いても、答えてくれなかったけどなー。あいつ、絶対俺に課題とかノートとか見せてくれねーんだよ！教科書忘れた時もでさ、隣の席なのに見せてくれねー……」

赤葦もこうは言っているが、気になってはいる。だからこうして木兎と尾行しているのだ。
因みに赤葦も、Aがデートする事は知っていた。広川から聞いていたのだ。
やはり女子は女子。女バレでも恋話は盛り上がる。
そこで夏目について色々と尋ねているうちに、デートが発覚したそうだ。

「なぁなぁ！夏目ってどんな奴なんだ？」

「夏目は2年ながら、サッカー部のエースです。祖母がアメリカ人で英語が得意ですよ。性格も人気で、ファンクラブがあるとかないとか……」

ここまで聞けば、自分では叶わないと思うのが大半だが、木兎には自信がある様。

「俺のほーが上だな」

とドヤ顔をかますが、赤葦の鋭い突っ込みが入る。

「木兎さん、英語できませんよね。英語どころか全部できませんよね」

「あか～し！それは言わないで！」

当然こんな騒いでいては、尾行はバレてしまう。

「……Aって過保護に育ったんだな」

「え？」

しかし、夏目が意味深の発言をするも、Aは気付いていない様だった。