好きと気付いたバレー馬鹿【木兎光太郎】 (ページ39)

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39、合宿②③ ページ39

「合宿と言えばやっぱり～？」

「肝試し～！！」

砂上は日向を気に入ったようで、今も隣に立っている。
場所は初日のビーチ。時間は午後8時を回ったところだ。

「さっさとクジ引くべー」

「お、俺、肝試しとか無理。そう言うの本当無理、」

「旭は西谷を見習え」

黒尾がクジの箱を抱え、そこに順々と並んでいく選手達。
菅原が東峰と澤村の背中を押しながらそれに続こうとすると、ガクブルと震える東峰。

「おっしゃ龍！幽霊から潔子さんを守るぞ！」

「お、おう、ノヤっさん、！」

あまり田中はノル気ではないらしい。しかし清水を守る為、これは仕方のない事。渋々西谷の声に答えた。

「日向とペアがいいなぁ」

「俺も砂上さんと同じがいいです！」

「……日向」

「どーしました？」

「君最高」

「え……よ、よっしゃあ？」

肝試しは近くの森で行う。森の奥には小さな洞穴があり、そこから無事バレーボールを取って来れたら成功となる。いや成功と言うよりは勝ちとなる。
今回の肝試しはペア対抗戦なのだ。ペアによってスタート位置が異なり、より早くバレーボールを持ち帰ったペアが優勝。
バレーボールは道の途中で奪ってもよいともルールにある。

「皆引いたかしら？」

「それじゃ同じ数字が書いてある紙を持ってる人を探して」

参加者はマネージャー含め34名。17ペアできる計算だ。

岬と巻屋の指示の元、選手達は動き出す。

「7の奴誰だ～？」

「はいはーい」

木兎の大声にAはすぐ様反応すると、木兎の元へ駆け寄った。

「お、今日の俺クジ運いいな！」

「私も今日は絶好調です！」

二人は顔を見合わせると、笑顔の横にピースサインを作った。