好きと気付いたバレー馬鹿【木兎光太郎】 (ページ21)

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21、合宿⑥ ページ21

「木兎先輩～！準備終わりました」

「遅かっ……Aって案外育ってんだな」

「他の女バレだったら殺されてますよ？w特に岬姉はスマートだから余計に」

「あー確かにそうかもなぁ」

岬を思い返しているのか、木兎はあやふやに答える。
この行為自体NGだろうが、今は大西に抗議に行っている為無事に木兎は生きる事ができている。

「男バレはスク水じゃないんですね」

「おう！皆ふつーに持って来た！」

「黄色って、意外と木兎先輩に合うんですね」

下から上へと、木兎の姿をまじまじと見る。
バレーで鍛え上げられた筋肉は、凛々しく輝いている。
因みに筋肉に関しては、Aにも多く存在する。
何せ全国レベルの強豪校だ。筋トレを欠かす訳がない。

「それで何するんですか？」

「んー……遊ぶ！浮き輪持って来たから、Aはこれ使え！」

木兎はそう言うと、浮き輪にAをすぽりと入れる。
そのまま浮き輪に付いている紐を引っ張り、海へと歩き出した。

「なんか木兎先輩のペットになった気分です」

「Aがペットかぁ～。……いいな」

「いいなって何ですか。変な妄想するなら京ちゃんに言いますからね！」

「それはやめて？！生きて帰って来れる自信ないから！」

そんなこんなで、海でぷかぷかと浮かぶA。
木兎はその浮き輪に捕まり、勢い良くバタ足を始める。

「沖まで行くぞー！！」

「行かないですよ。ふつーにそこら辺で泳いでればいいじゃないですか」

「もう！A冷たい！」

ぎゃあぎゃあ騒いでいる二人を、烏野は不思議そうに、梟谷と音駒は呆れ顔で見ていた。