好きと気付いたバレー馬鹿【木兎光太郎】 (ページ16)

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16、合宿① ページ16

「夏だー！海だー！合宿だっー！！」

千葉県の館山市。
海に向かって日向が声を張る。

「おぉ日向！元気がいいなぁ！」

「木兎さん。恥ずかしいからやめてください」

「日向もこっちに帰っておいでー」

木兎も参戦しようとしているのを察すると、赤葦が直ぐ様止めに入る。
菅原もそれを聞いて、日向に手招きをした。

「ほいっす！……あ、影山！何拾ってんだよ！」

「……はまぐりか、？」

「それはあさりだよ！どう見てもサイズちげぇーだろが！」

「おぉ影山！随分と美味そうなの取ったな！」

不審な行動をしている影山に気付いた日向が声をかけると、手に大量のあさりを抱えていた。
そこに田中と西谷が混ざっていくと、何ともうるさいものが出来上がる。

「ほら！集合！」

それを見兼ねて、澤村が集合をかける。
慌てて四人も他のメンバーがいる所へ駆け寄る。

「か、影山、それ持って来たの、？」

「あ、はいっす。美味そうだったんで」

「今すぐ海に返してあげなさい」

東峰の隣に影山が並び、またあさりの話に戻る。
すかさず澤村が口を挟んだ。

「あいつ、絶対今日の晩飯にする予定だったろw」

「あの顔はそんな顔でしたね……」

菅原が腹を抱えて笑うと、縁下が呆れ顔であさりを返しに走っている影山を見る。

「本当馬鹿だよね。単細胞」

「まぁ影山らしいね」

嫌味が多く含まれた笑みで月島が鼻で笑うと、山口も縁下の様な顔になる。

「烏野～！こっち来ーい！」

そんなぐだぐだな烏野に、木兎が大きく手を振って呼んだ。