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「勝己に言えて、私には言えない？」
「……うん、ごめん。今は言えない」
Aを拒絶した訳ではない。
だがAがそう受け取ってしまうのも仕方がない事だ。
「本当にごめん。Aに言いたくないって訳じゃなくて、ある人と約束があ」
「いつか出久がNo.1ヒーローになったら教えてね」
緑谷の話を遮って呟くAはいつも通りの笑顔だ。
「私も出久に話してない事あるし、お互い様だ」
それは轟との事だろう。
だから気にするなと言うように、Aは緑谷の頭を撫でる。
「出久は優しいからなぁ。小さい時から私のヒーローは出久だよ。どんなに勝己に虐められても立ち上がってカッコよかった。あんな勝己の後ろをついて行ってくれてありがと」
爆豪が緑谷を虐めると、Aがよく助けていた。
けれども毎回は無理がある。
公園に行くと、涙を堪えてブランコに座る緑谷を何度見掛けた事か。
それでも翌日にはまた爆豪の後ろを歩いている。
「けど今は勝己の横にいるね。高校に入ってから出久、私を置いてっちゃうんだもん。流石に焦るよ」
Aだって個性上、十分強い部類に入る。
爆豪に似てセンスもあり、運動神経だって人並み外れている。
「私も頑張るから。二人に遅れないようにしないと」
男女の力の差。ヒーローに対する憧れや願望。
Aは自分に劣っているものをよく理解している。
「もう頑張ってるよ、Aは」
「……なんか照れちゃうよ。でも、ありがと」
緑谷は知っている。
Aがヒーローに対しての悩みを抱えている事。
そんな悩みの中、ヒーローになる為の努力を惜しまない事。
「今日出久と寝たい」
「え、駄目だよそんな！」
「なんでよ。昔はよく勝己と三人で寝たじゃん」
「それは昔の話！」
いくら幼馴染だからと言っても、今はお互い高校生だ。
加えて爆豪に何をされるか分からない。つまりは命の保証がない。
「取り敢えず、Aはかっちゃんの部屋で寝な？分かった？」
「ん、分かった」
言い聞かせるように言うと、素直にAは頷いた。
この後ここまでくれば一種のストーカーだが、せめて緑谷の匂いがする物が欲しいと駄々を捏ねた。
「そろそろ勝己の所行く。おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
半ば強引に貰ったオールマイトのハンカチを手に、爆豪の部屋を目指した。
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もやし(プロフ) - おまめさん» ありがとございます！！ (2022年5月12日 22時) (
レス) id: c45771c01d (このIDを非表示/違反報告)
おまめ - めっっっっちゃオモロイ!!! (2022年5月12日 20時) (レス) @page40 id: 04b57ecb94 (このIDを非表示/違反報告)
もやし(プロフ) - 桧さん» ありがとうございます！これからも精一杯書いていくので、よければ読んでみてください！ (2021年8月20日 17時) (レス) id: c45771c01d (このIDを非表示/違反報告)
桧 - なぁにがあったんだろぉーなぁ？？？ (2021年8月17日 14時) (レス) id: f7e0d06981 (このIDを非表示/違反報告)
桧 - めちゃこれ好きです。 (2021年8月17日 14時) (レス) id: f7e0d06981 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もやし | 作成日時：2021年5月13日 22時
