28、緑谷の部屋 ページ28
「昼間はごめん！僕が余計な事を聞いたから」
「私が変な空気にして、勝手に帰っただけだから気にしないで。私こそごめん」
緑谷の部屋に着くなり、お互い謝罪を開始する。
「出久、プリン食べたい」
「あ、ちょうど冷蔵庫にあるかも！三個入りの安いやつだけど」
「全然それでいい！流石私の可愛い弟！」
二人で並んでプリンを食べながら、緑谷は弟の定義について説明し始めた。
「だから僕はAの弟じゃなくて」
「でも出久ママもよく言うよ？Aちゃんみたいなお姉ちゃんが居て、出久も幸せ者ね。って」
「そのお姉ちゃんは血縁関係のじゃなくてその、」
ペラペラと口を開く緑谷だが、Aはそんな難しい話に興味はない。
自分が弟と思えば弟なのだ。自分の意見、考えを変える事はない。
「出久さ、彼女できたらちゃんとお姉ちゃんに紹介するんだよ？どんな可愛い子か見てあげるから」
「可愛い子前提なんだ」
「出久が選んだ女の子が可愛くない訳ないじゃん」
こう言う所は、姉貴気質のA。
たまに緑谷も自分の姉はAだと錯覚してしまう事がある。
「あ、今度トリプルデートしない？！」
「えっと、それは僕とAとかっちゃんと僕らの恋人達でって事だよね」
「嫌？絶対楽しいと思うんだけど」
「……そうだね。楽しいかも」
楽しいのはきっとAくらいだろう。
緑谷と爆豪の仲を見れば、そんな事は言い出さないはずだ。
全くAは何を考えているのか。
「楽しそうって思ってないだろー。勝己もお子ちゃまだからなぁ。まだ出久には意地張りたいんだと思うよ？」
大人になっても、きっと爆豪は変わらない。
緑谷にはこんな自信しかなかった。
「そーいえばね。聞きたい事あったの」
Aは基本的にヘラヘラしているが、真剣な話になると美形が引き立つキリッとした表情になる。
「個性について」
雄英の入試の際、Aは緑谷の個性を初めて見た。
今まで隠していたのかとショックも受けたが、生き生きしている緑谷を見て、そんな事はどうでも良くなっていた。
「それは、その……」
しかし裏があるのだろうと考え始めたこの頃。
よくオールマイトと二人で話しているのを知っている。
爆豪も一時期は緑谷の個性について騒いでいたが、今はその頃が嘘のように落ち着いている。
「勝己は知ってるんでしょ」
そこまで感じ取っていたのかと、緑谷はAの勘の良さに思わず息を飲んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 414人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もやし(プロフ) - おまめさん» ありがとございます！！ (2022年5月12日 22時) (
レス) id: c45771c01d (このIDを非表示/違反報告)
おまめ - めっっっっちゃオモロイ!!! (2022年5月12日 20時) (レス) @page40 id: 04b57ecb94 (このIDを非表示/違反報告)
もやし(プロフ) - 桧さん» ありがとうございます！これからも精一杯書いていくので、よければ読んでみてください！ (2021年8月20日 17時) (レス) id: c45771c01d (このIDを非表示/違反報告)
桧 - なぁにがあったんだろぉーなぁ？？？ (2021年8月17日 14時) (レス) id: f7e0d06981 (このIDを非表示/違反報告)
桧 - めちゃこれ好きです。 (2021年8月17日 14時) (レス) id: f7e0d06981 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もやし | 作成日時：2021年5月13日 22時
