怖くて優しいあの人と。② (ページ8)

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「…あのさ、Aにひとつお願いがあるんやけど」

「お願い…？」

「うん。こんな怪我、まぁ大したことはないんやけど…いろいろ不便なこともあるかもしれへんし、身の回りのことちょっと手伝ってもらいたいんやけど…いい？」

「もちろんです！私にできることならなんでも…！」

圭太さんは大したことないとか言ってるけど…実際、まあまあな大怪我だし。

彼女として、圭太さんのことを頑張ってサポートするぞ…！

「ありがとう。じゃあ、今日からしばらく俺の家に住み込みでよろしく」

「へ…？住み込み…？」

ちょっと待って。一旦待って。

私はてっきり、家政婦というか、家事代行サービスみたいな感じでやるつもりだったんだけど…？

「うん、毎回俺の家来るの大変やん？」

「いやまぁ…そうかもしれないですけど…」

住み込みってことは、圭太さんとしばらく同じ空間で暮らすってことでしょ？

…そんなの心臓がもたない。

最近はまだ慣れてきた方だけど…デートの時とか、こうやって一緒にいる時もまだちょっと緊張というか…ドキドキするもん。

「…だめ？」

子犬のような目でそう聞いてくる圭太さん。

あぁもう、私がその顔に弱いってこと、圭太さん知っててやってる。絶対。

「………だめじゃ、ないです」

そして、結局そう答えてしまう私も私。

「ありがと、」

ニコニコと嬉しそうに笑いながら、頭を撫でられた。

圭太さんの笑顔を見ると、もうなんでもいいや！って思っちゃうんだよなぁ。