怖くて優しいあの人と。② (ページ7)

今日:27 hit、昨日:285 hit、合計:34,902 hit

7 ページ7

「…Aに会いに来てよかった」

「…？」

「昨日、なんか無性にAに会いたくなって。でも怪我してるし…こんな状態で会っても迷惑やから、とりあえず声だけでもって思って電話かけたんやけど…」

「…あ、」

そういえば昨日、圭太さんから電話きてたんだった。

仕事中で、出れなかったけど…。

「結局電話出ぇへんくて…でもやっぱりどうしても会いたくて。結局家まで来ちゃった」

なるほど…それで、昨日私の家に来てたんだ。

「…すみません。私がちゃんと電話に出てたら……」

私が帰ってきた時は気を失いかけてたし、きっとあの怪我で動いたから酷くなっちゃったんだと思う。

私が電話に出てれば、圭太さんの怪我はもう少しマシだったかもしれない…

「…もしAがあの時電話に出てたとしても、会いに来てたと思う。やからAは何にも悪くないよ」

「でも、」

「そんな顔せんでよ。正直めっちゃ嬉しかったんやで？Aが心配してくれて…あと、Aからキスもしてくれたし」

「あ、あれは………！」

あの時は身体が勝手に動いちゃったんだもん…！

今思い返したら、すっごい恥ずかしい…

「顔真っ赤。かわいい」

そう言って触れるだけの優しいキスを何度もされた。

腰を抱き寄せられて、距離が近くなって圭太さんの体温が直に伝わってくる。

あったかい…もっと、この時間が続いてほしい。