怖くて優しいあの人と。② (ページ4)

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…なんだかフワフワする。

誰かに頭を撫でられている…？

ゆっくりと目を開けると、圭太さんがいた。

「………あっ！！」

昨日のことを思い出し、慌てて起き上がる。

「圭太さん！怪我、怪我は！大丈夫ですか！？」

「…うん、大丈夫。Aが手当てしてくれたんやろ？ほんまにありがとう」

そう言って頭を撫でられる。

笑顔の圭太さんを見て、ほっと胸を撫で下ろした。

「よかった……でもちゃんとした手当てができなくて…申し訳ないです」

「そんな謝らんで、十分やで。こっちこそ、心配かけて…いろいろ迷惑もかけてごめんな」

「迷惑だなんて、そんな………でも、ほんとに心配したんですからね…！最初声かけても返事しないし、めっちゃ血出てるし…！！」

なんかもう思い出したら涙出てきた。

あの時は、もしかしたら死んじゃうんじゃないかって本気で思ったんだもん…

ごめんな、と言いながら涙を手で優しく拭ってくれる圭太さん。

ほんとに、無事でよかった…

「…あれ。ていうかなんで私ベッドに……」

たしか昨日、床で寝たはずなんだけど…。

今いるのはいつものベッドの上。

ちゃんと布団もかけてるし…

「あぁ、俺が運んだんよ。ごめんな、床で寝るん痛かったやろ？」

そう言って申し訳なさそうに眉毛を下げる圭太さん。

「いやいや、全然大丈夫です！…ていうか圭太さんは今怪我人ですから！そんなこと気にしなくていいんです！」

「…Aは優しいなぁ」

「圭太さんの方が優しいです…！」

怪我してるのに、わざわざベッドまで運んでくれて…なんか申し訳ないな。

ていうか、私のことよりもっと自分のことを心配した方がいいと思うけど…。