怖くて優しいあの人と。② (ページ22)

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「楽しそうに話してたやん」

「そうですね…宗さん、すごく明るい方だったので…」

ちょっと話しただけだけど、コミュ力高いなぁって思ったもん。

めっちゃ気さくな感じだったし…ほんとに、ヤクザなのがいまだに信じられない。

「…宗ちゃんもこのマンション住んでるから、今日みたいなことがまたあるかもしれへんな」

「あ、そうなんですね…！」

そういえば、このマンションには中嶋組の人が何人か住んでるって言ってたっけ。

「宗ちゃん以外にも何人かおるから…まぁ、またちゃんと紹介したいなって思ってるんやけど」

紹介したいって思ってくれてるんだ…！

それは嬉しい…けど、ちょっと怖い…みんなヤクザの人だもん…。

なんて思ってたら。

「………でも、ほんまは…あんまりみんなに会わせたくない…」

「え…」

一気に心臓が冷えるような感覚に陥った。

やっぱり、私が圭太さんに似合う女じゃないから…人に会わせるのが、恥ずかしいのかな…

またネガティブな思考が頭の中を駆け巡る。

「…だって、Aめっちゃ可愛いしめっちゃいい子やから、みんなAのこと好きになるかもしれへんやん」

「…え？」

予想だにしないことを言われて、思わず間抜けな声が出てしまった。

「そんなん絶対あかん…俺のAやもん」

ぎゅっと手を握られる力が、強くなった。