怖くて優しいあの人と。② (ページ3)

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まだ出血しているし、まずは止血した方がいいよね。

とはいえ何の知識もないし…

とりあえずネットで“止血方法”で調べてみると画像付で出てきたから、見様見真似でやってみることにした。

便利な時代で助かる…。

「圭太さん、ちょっと押さえますね」

「…い"っ」

圭太さんがめちゃくちゃ苦しそうな表情をするもんだから、何だかこっちまで苦しくなってきた。

思わず手の力を緩めそうになったけど、それじゃあ血は止まらないし。

「すみません痛いですよね、でもちょっと我慢してくださいほんとにすみません！！！」

1人でギャーギャー騒ぎながらもなんとか止血はできたっぽいから、ガーゼを当てて包帯を巻く。

ちゃんとした手当てじゃないし、なんか包帯の巻き方も変だけど素人だから許して欲しい。

見える範囲の怪我は全部手当てが終わったから、シャツのボタンを留め直して布団をかける。

さっきの苦しそうな表情とは一転して、スヤスヤ寝ている姿を見てひと安心。

それにしても、圭太さんの寝顔初めて見たかも。

…かわいい。

頭や頬をこっそり撫でてみる。

こんなこと、普段はできないし。今だけ、ね。

ていうか、今更だけど一体何があったんだろう…

ヤクザの抗争的な…？

こんな大怪我してるわけだし、ただの喧嘩とかではなさそう。

…聞いたら、教えてくれるかな。

ふと時計を見ると、もう深夜の2時を過ぎている。

仕事から帰ってきて、ずっと手当てしてたからめちゃくちゃ眠い。

さっさとシャワーを浴びて寝よう。

…で、私はどこで寝ればいいんだ。

ベッドは圭太さんが使ってるし…ウチにソファはないし。

今日ぐらい床でもいいか。怪我人優先。

眠たい目を擦りながら、シャワーへと向かった。