怖くて優しいあの人と。② (ページ11)

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あれからしばらくの間、ずっと抱きしめられてその上キスまでされた。もうキャパオーバーです。

今は普通に話してるだけなんだけど、腰に腕を回されてるし手も握られてるし、正直あんまり話が入ってこない…。

「…まぁ、怪我もそんな大したことなくてよかったわ」

「私にとっては大怪我ですけどね…」

「Aの手当てのおかげやで。先生も褒めとったやん」

実は今日、圭太さんの家に来る前に病院に行ってきた。

圭太さんは行く必要ないって言ってたけど…

素人の応急手当てなんてアテにならないし、ちゃんとお医者さんに診てもらった方がいいです！ってお願いしたら渋々。

私も付き添いで行ったんだけど、やけにお医者さんが慣れてるなぁ…って思ってたらなんと中嶋組御用達の病院らしい。

だって、「ドスでやられたっす」って圭太さんが言ったら

(それを軽く言う圭太さんも圭太さんだけど)

「あー、はいはい。また？」って普通に返してたもん…。

ドスって、よくわからないけど“ドスでやられた”ってことは多分武器とかそういうのでしょ…？

その後も怪我の経緯とか、いろいろ話してたけどもう聞いてるだけで痛々しかった。

「なんでAがそんな痛そうな顔してるん」

って圭太さんに笑われたし…。あとお医者さんにも笑われた…。

まぁ、こういう病院があるなら最初に救急車を呼ばなかったのは正解だったのかも。

その分、いろいろ大変ではあったけど…。