怖くて優しいあの人と。② (ページ2)

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「…よっこいしょ、と」

なんとか圭太さんを部屋に運んで、ベッドに寝かせることができた。

細身に見えるけど、意外とガッシリしていて重い。

女1人の力じゃ、ベッドに寝かせるだけでも大変だった。

そんなことより、早く手当てをしなきゃ。

とりあえず、ジャケットを脱がせたはいいものの…

どうすればいいんだ…！？

ガーゼや包帯などの応急手当て用品は奇跡的に家にあった。

いつ買ったのかもわからないやつだけど。

一旦、怪我の具合を見た方がいいよな…

……よし、腹を括ろう。

「…すみません、失礼します……」

聞こえているかはわからないけど、一応そう伝えてからシャツのボタンに手をかける。

…なんだろう、このダメなことをしている感じ。

でも、そんなこと気にしてる場合じゃない。

今は緊急事態なんだから…！

シャツのボタンを全部外すと、バキバキに鍛えられた身体が露わになった。

そりゃあんなに重いわけだ。

それに、刺青もすごい…なんか、もはや芸術作品みたい。

…いやいや、それより。

やっぱり脇腹に大きな傷があった。

脇腹以外にも、アザとか小さい怪我がいっぱいある…見ているだけで痛々しい。