怖くて優しいあの人と。② (ページ1)

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今日は花屋さんのバイトだったけど、閉店後に作業があって少し帰りが遅くなってしまった。

そういえばさっき、圭太さんから電話があったんだけど仕事中だったから出れなくて。

終わってからかけ直してみたけど、出なかった。

家に帰ってからまたかけ直してみよう、なんて思いつつ自分の家に向かっていると、誰かがドアにもたれかかりながら座っているのが見えた。

…あそこ私の部屋だよね？

誰…？めっちゃ怖いんですけど。

恐る恐る近づいてみると、その人物は圭太さんだった。

なんで私の家に…？どうしたんだろう…。

「圭太さん？………おーい、」

呼びかけても返事がない。

暗い上に、俯いていて顔もあんまり見えないし…

…まさか寝てる？

顔を覗き込もうとより近寄ってみると、脇腹のあたりからかなり出血をしているのに気がつき、思わずヒュッと息を呑んだ。

「け、圭太さん！大丈夫ですか！」

肩を少し叩くと、ゔっ、と辛そうな声が返ってきた。

…意識はあるみたい、だけど………

めっちゃしんどそうだし、喋れる状態でもなさそうだし…

救急車呼ぼう……あ、でも圭太さんの職業的にあんまり呼ばない方がいいのかな

どうしよう、わかんない…でもこのままじゃ絶対ヤバいし。

「……よし。圭太さん、ちょっと動きますよ」

とりあえず、私の部屋に入れることにした。