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劣等感6 ページ8

向かったのは河原の歩道橋の下。

そこに捨てられている段ボールを覗くと、みゃあと鳴き声が聞こえた。






「元気?今日もご飯持ってきたよ」

私はそう声をかけながら、鞄から猫の餌を取り出した。






数週間前に見つけた黒い子猫。

私はこの子を見た時、自分と同じものを感じた。





この子にも、私にも、愛してくれる人がいない。


孤独。






だからね、私が愛してあげるんだ。

お互いがいればいい。



そう思えるように。


でも、家に連れて帰ることは出来なかった。

お母さんが許してくれるわけないし、この子も酷いことをされるかもしれない。

そうなるくらいなら、可哀想だけど毎日ここへ来て面倒を見る。



ただの自己満かもしれない。




だけど、この子といる時だけが私にとって幸せな時間だった。



空っぽな心が、少しだけ満たされる気がした。








「家に連れて帰ってあげられなくてごめんね」

私は子猫を抱き上げてぎゅーっと抱きしめた。




温かい。





「だけど、私がちゃんと一緒にいるからね」

頬を擦り寄せると、子猫はくすぐったそうに鳴いた。


自然と笑みが零れた。





私にとって、この子は自分の一部な気がした。

あなたは私の宝物だよ。




子猫を抱きしめたまま、日が傾き出すまでそこに座り込んでいた。









それを見ている影がいることには気付かなかった。

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雨野天 - 面白い作品をありがとうございます!これからも、頑張って更新お願いします!一生応援します(*´∀`)♪ (2020年9月25日 8時) (レス) id: e9ccbc0a11 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - あさん» wwwwwwwwwwwwwwさらに返すw (2020年6月15日 20時) (レス) id: 0b9b617bc5 (このIDを非表示/違反報告)
- 美紅さん» wwwwwwwwwwwwwww笑笑返し (2020年6月15日 17時) (レス) id: 3e77a425a8 (このIDを非表示/違反報告)
@雨粒(`・∀・´)(プロフ) - 作者さん大好きです!頑張ってください! (2020年6月2日 16時) (レス) id: 69a6fc1c32 (このIDを非表示/違反報告)
@雨粒(`・∀・´)(プロフ) - )愛ちゃん吹っ飛ばしていいですか?作者さん!あ、作者さん応援してます!更新待ってます!さてさて愛ちゃん?口喧嘩する?え?ワイ結構勝気でおるよ?てか、多分勝てると思う。ふっははは。愛ちゃんに、仕返しするのを待ってます!( ^∀^)ニコォ... (2020年6月2日 15時) (レス) id: 69a6fc1c32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:miyusuki1225 | 作成日時:2020年4月4日 1時

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