双子なのにね

劣等感１７ ページ19

血で汚れた制服は、跡が残らないようにゴシゴシと洗った。



お母さんに見つからないように自分の部屋に干してから違うものを着た。









学校に行かなければならない。



足が重い。



体も言うことを聞かない。





でも、行かなければならない。





ずるずると体を動かした。









さっきの線路にはもう既に人はいない。




血の跡が少しだけ残っていた。





それを見てまた泣きそうになったけど、ぎゅっと目を瞑ってそこを通り過ぎた。









学校に着いたのは二時間目が始まる頃。



休み時間に入ろうか迷ったが、誰も声のかけることが出来ない授業中に入ることにした。








他のクラスの前を通るときにたまに何人かがちらちらとこっちを見てきたけど、すぐに黒板の方に視線を戻してくれたのでそこまで目立つことはなかった。








なんとか自分のクラスに辿り着き、後ろのドアの前で深呼吸をする。




そして扉に手をかけ、勢いよく開けた。








ガラッと音がして、先生も含め皆がこっちを見る。





私は俯いて席に向かった。




皆の視線が痛いほど突き刺さってくる。



先生も戸惑っているようだ。









それとも私を不気味に感じたのだろうか。



｢ち、遅刻はするなよ｣



それだけ言って、また授業に戻った。






私はノートを開いた。



でも書いたのは黒板の内容じゃない。








顔を上げずに、ただひたすらシャーペンを走らせた。

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