双子なのにね

劣等感１２ ページ14

家に帰ると案の定お母さんは怒っていた。




｢A！あなた今日学校から出ていったそうじゃない！！こんな時間まで何やってたの！？私が何のために学校にお金出してると思ってるの！？｣






｢…ごめんなさい｣





お金を出している理由、近所に変に思われたくないから。





娘が二人いて、一人は通っているのにもう一人は通っていない。



そんなのおかしいから。






お母さんにとったら、愛は可愛い娘で、私は忌々しいごみ。






でも、大切なお金を私なんかに使ってくれてるのは、感謝しなくちゃだめだよね。









お母さんがずっと怒鳴っている。



私は俯いて、ずっと自分の足を見つめていた。





それがいけなかったようだ。





｢聞いてるの！？なんであんたは愛みたいに出来ないのっ！！｣





お母さんはさらに怒って私の頬を叩いた。




それはエスカレートしていって、体中を殴られた。蹴られた。






痛いよ。




腕、足、お腹、顔。




全部、全部痛い。









｢あんたなんか産むんじゃなかったこの出来損ないっ！！愛だけで良かった！！｣






心も、痛い。








愛は関係ないじゃんか。






どうして愛なの？




双子だからって、なんでも同じなわけないじゃん。









ああ、ごめんなさい。


愛みたいになれなくてごめんなさい。



愛みたいに可愛げがなくてごめんなさい。




ごめんなさい。ごめんなさい。



私は何も言わず、泣くこともせず、ただ心の中で謝り続けた。



近くに座っているお父さんは無関心。



廊下の方を見た時にいた愛は、笑みを浮かべて私を見ていた。






ねえ、どうしてあなたなの？



どうしてあなたが愛されるの？



こんなに頑張ってるのに、報われないの？





自問自答を繰り返す。





＿＿＿＿当たり前じゃないか。




私の中の私が笑った。



分かりきってるくせに。



前から知ってたくせに。







私は、









＿＿＿＿お前は、失敗作。









うん。



知ってたよ。




失敗作は、ごみ箱に捨てないと。




いらない、ごみだから。









ね。

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