キッチン〜LT ページ10
A「お茶 煎れますね？」
さっき緩めた腕をスルリと抜けて、隣の部屋に行ってしまう。
Aが行った方を覗くと、小ぢんまりとしたキッチンだった。
「キッチンか・・」
A「小さいでしょ？」
「ひとり暮らしなら、このくらいでいいんじゃない？」
A「はい。不自由は無いんですよ」
流し台の正面に立って、お湯を沸かしながら、収納棚から食器を取る。
振り向いたところに、小さなテーブルがあって、取った食器を置けるようになっている。
「いろいろ工夫されてるんだ？」
Aの横に並んで立つ。
A「トゥギヒョンって・・キッチンに立つのイヤじゃないんですね？」
「うん・・平気だよ？どうして？」
A「日本では・・”男子厨房に入らず”って言って、料理は女がするものって言う考えの男のひともいるから・・最近は・・そうでもないですけどね・・。あ、テレビでも料理してましたね？」
Aの、俺の情報は・・・うぎょるネタが多いんだな・・。
「料理は、基本 ”する”より ”して欲しい”方だよ？」
A「そうですよね・・トゥギヒョン忙しいから・・・あ、お腹空いてますか？」
「ん〜〜〜空いてる・・ってほどじゃないけど、満腹でもない(笑)」
A「じゃあ、ちょっと摘めるもの作りましょうか？」
「Aって・・料理好きなの？」
A「ひとりですからね。自分で食べたいものを作るのは苦にならないですよ？誰かに・・・っていうのは・・・・・ずっと・・してなかった・・・かな」
前の恋愛では・・してたんだ。
前の恋愛でAは きっと、こんな風に甲斐甲斐しく料理をして、身の周りの世話をしていたんだろう。
「俺、ここにいると邪魔？」
A「ふふ・・邪魔じゃないですけど・・ちょっとやりにくいですね(笑)」
「せっかくAの部屋に来たのに、離れてるのイヤなんだよ」
そう言って、Aの腰に手を回す。
A「お料理中は・・・ソレは無しです。危ないですからね？」
睨むように俺を見る。
「じゃあ、手伝うよ。アッチに行けって言われるのイヤだから」
A「トゥギヒョンって・・なんでも上手に出来そうですよね？」
「そぉかな」
A「うん・・私より上手だったら・・どうしよう？(笑)」
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作者名：みゆず | 作成日時：2013年6月1日 7時
