薔薇のいろ〜LT ページ9
A「ふふ・・これ・・買ってあったんですか？」
鉢植えを見ながら聞いてくるAの横に並んで腰を抱き寄せる。
Aは、それは特に嫌がらなかった。
俺に触れられるのがイヤでは・・ないんだ・・・と、ホッとする。
「ココに来る途中に、まだ開いてる花屋があった」
A「こんな時間まで？」
「うん。それ・・気に入った？」
A「とっても。カワイイし・・珍しい花びらの色ですね？」
薔薇の花びらは、花の中心は白い花びらなのに、外側は赤いグラデーション。
A「わざとこういう色付けにするのかしら？」
ラッピングの隙間から、咲いている薔薇に触れる。
「こういう品種かな？ こんな色の薔薇、はじめて見た」
その花に触れて鉢の横に付いているプレートを取る。
「ここに水遣りとか、手入れの仕方が書いてあるって・・。“ノスタルジィ” この花の名前」
Aが、一緒にそのプレートを覗く。顔が近づいて、Aの顔が俺の真横にある。
すぐにでもキスしたい衝動を抑えながら、髪の香りをかぐように鼻先を近づけるとAがくすぐったそうにする。
「A・・・かわいい」
A「ふふ・・すごく・・嬉しいです。トゥギヒョンと会えない日も、ここにトゥギヒョンがいるみたいに思えそう・・」
「コレ・・俺の代わり？ 」
A「だって、花の真ん中が白くて、外側は赤くて・・トゥギヒョンみたいでしょ？」
「俺みたい？ どの辺が？」
A「内側の白はトゥギヒョンって感じでしょ？ 外側の赤は・・・トゥギヒョンの・・・情熱？(笑)」
「ハハ・・ほんとに・・Aは、俺を喜ばせるの上手だね？(笑) それだったら・・俺には、この薔薇、Aに見えるよ？」
A「わたし？」
「うん。内側は・・無垢で・・・外側は・・・鮮やかで濃かったり薄かったり・・Aみたいだ。・・ぁ・・俺も部屋に一鉢置こうかな・・」
顔を見合わせて、微笑みあう。
なんてことない他愛もない会話なのに、どうしてこんなに心が弾むんだろうな・・。
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作者名：みゆず | 作成日時：2013年6月1日 7時
