きみから・・2 (ページ48)

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守りたい1～You ページ48

数社合同の取材。

事前の打合せで、質問の順番を決めてあるので、あとは通訳しながら答えるメンバーを指名する。

トゥギヒョンに質問が集中しないように、と言われているから、内容を踏まえてメンバーに振る。

はじめは、リーダーが答えると思っていた取材側も、他のメンバーが代わる代わる答えるのを、珍しがって質問が矢継ぎ早に出た。

ただ、一社だけそのやり方に逆らうように、「この質問はイトゥクしに」と指名する。

事前に、雅美さんから注意するように言われた雑誌記者。
他の質問の時には、思惑ありげにトゥギヒョンを凝視していて、自分の番になると鋭い視線を私に向ける。

様子を見るために、記者の質問通りの通訳をトゥギヒョンに向けていたけど、質問の内容はあからさまに悪意を含むもので、彼に不利な答えを誘導するような内容ばかりだった。

通訳するとき、内容をゆがませることは出来ない。

それでも、ストレートに悪意が伝わらないようにニュアンスを汲み取って、少しでも緩和した内容になるように言葉を選らんで通訳した。

それが、かえってその記者を刺激したようで、途中からは私の通訳に不満を訴え始めた。

横にいた広報スタッフが間に入って、事務所側の意向を説明しても納得しない。

はじめスムーズに進んでいただけに、全体の雰囲気が悪くなった。

見かねた雅美さんが、その雑誌社の取材の場を別に設定することで、その場を収めてくれたが、その記者の攻撃的な質問はそのあとも何度か投げかけられた。

メンバー揃っての取材のあとは、メンバー個別の取材。
そこでも、その記者が私の通訳に不満をいい、挙句私の素性まで追求してきた。

雅美「お宅の取材は別日に改めてお受けします。今日はココまでにして下さい。専属の通訳がお気に召さないのでは、うちも取材を受けかねますよ？」

雅美さんが、そう宣言してその雑誌社の取材は中断された。