守りたい1〜LT ページ45
予定時間をオーバーして、取材が終わった。
広報の仕切りで、何とか最小限の時間超過に済ませたという感じ。
衣装を普段着に着替えて、メイクを落として、スタッフとともに車に向かう。
事務所について、スタッフは各々の持ち場へと動き出す。
メンバーもその後のスケジュールでバラバラになり、車で移動する者はマネヒョンを待っている。
俺は、この後は帰るだけだから、来た時と同じようにAと車で帰る。
Aは、取材現場から俺たちとは別の車で事務所に戻って、ロビーで数名のスタッフと立ち話をしている。
スタッフと一緒に居るAの表情は、ドコと無く暗い。
繕って微笑んではいるが、普段のAの笑顔とは違う。
雅美ヌナと数人のスタッフと話しているのを、少し離れて見ていると次の仕事に移動するソンミンが声をかけてきた。
SM「ヒョン、お疲れさま。このあとは帰るんでしょ？Aを送っていく？」
「ああ・・。なにか・・やってるから」
そういって視線でAの方を指す。
SM「・・・・Aのこと・・・」
「ん・・・だいじょうぶだ」
SM「ヒョンもね？」
「心配させて悪いな」
SM「ヒョン。頼りないかも知れないけど、僕たちだって、チカラになりたいんだよ？」
「ああ、わかってる。頼りにしてるよ」
SM「・・ん・・・じゃあ僕はマネヒョンの車だから・・行くね？」
「お疲れ・・・・あ・・」
SM「・・今夜は・・泊まる？」
「・・ん」
SM「了解。ドンヘたちに言っておくよ」
「よろしくな・・」
ソンミンを見送りながら、またAの居るほうに視線を向ける。
雅美ヌナが、Aに向かって何か言って、Aがうなづいている。
しばらくそうして見ていると、立ち話が済んだようで、雅美ヌナがこちらを見た。
なにも言わずに、うなづくように微笑んで、Aの背中を押す出すようにすると、自分はスタッフと社内に入っていった。
雅美ヌナたちの背中にお辞儀をすると、Aがコチラに小走りで近づいて来る。
A「トゥギヒョン。お待たせしちゃってすみません」
公私の公のときは『トゥギヒョン』
Aは、二人のとき以外は 俺を『ジョンス』とは呼ばない。
「ん・・反省会？ 長かったね？」
A「ぁ・・いえ・・なんだか・・・すみません」
俺の視線を避けるように、Aが俯きながら謝る。
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作者名：みゆず | 作成日時：2013年6月1日 7時
