公私の公〜You ページ43
マネ「今日の大まかな進行表」
車に乗ると、すぐに書類を渡される。通訳での同行が増えて、この流れにも慣れてきた。
「ありがとうございます。今日は取材、何社くらいですか？」
マネ「結構多い。順番に・・って話だけど、メンバーも多いから、まずは向こうに行って打ち合わせてから」
「はい。わかりました」
マネ「日本公演と、イトゥクの入隊のことが質問に出ると想う」
「・・はい」
マネ「本人が答える通りでいいから」
「はい」
後ろの座席に乗っている彼を、振り返って見ると、私とマネージャーのやり取りを聞いていたようで、こちらを見て頷く。
マネ「あとは、いつものとおりで」
「よろしくお願いします」
マネージャーと彼に、そう告げて、進行表と詳細に目を通す。
現場に着くと、メンバーは控え室に行き、メイクと衣装チェックに入る。
私は、先方の担当スタッフと、広報担当スタッフと一緒に打ち合わせに入る。
今日の広報担当スタッフの中には、雅美さんも居た。
雅美「ひさしぶりね」
「お疲れ様です。今日は雅美さんもいらしたんですね？」
雅美「今日は・・イトゥクの入隊についての内容が入ってるから・・」
彼の入隊が、取材側の関心の的だから、事務所側も慎重に対応する・・と言うこと。
雅美「Aさんが通訳だから、心配はしていないけど」
「よろしくお願いします」
打ち合わせが始まって、取材の順番が決まる。
メンバー全員のインタビューと、個別のインタビューを要求される。
雅美「こちら側で担当通訳を連れてきていますので、各社の担当の方も少人数でお願いします。複数からのインタビューですと、対応が煩雑になりますので」
雅美さんが、メディアを整理して取材の規模を絞っていく。
雅美「あの・・雑誌社・・ちょっと気をつけて？」
「はい？」
雅美「さっきから、抜け駆け質問ばっかりする。こちらで順番に対応するって言ってるのに、我先にって質問してくるから、他の質問と内容がチグハグになって、答えるほうが混乱するから。Aさんは、メンバーの回答を聞いてから、少し様子を見てから答えて？」
「わかりました」
雅美「あと、イトゥクに質問が集中することのないように。あのリーダーは気配りやで、なんでも自分で対処しようとするから。他のコたちも心得ているから、適当にメンバーに振って？」
「はい」
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作者名：みゆず | 作成日時：2013年6月1日 7時
