きみから・・2 (ページ39)

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きみとの時間～LT ページ39

Aは、一度離れた身体を俺に押し付けるようにして、俺を抱きしめる。

「ジョンスしの望むように・・したいです。そばに居るのが苦しいなら、離れます。そばに居てもいいなら、そばにいます。・・・・・でも、なにもかも捨てて・・は、ジョンスしが本当に望んでいることでは無いと想うので、応えられません」

Aの言葉が、俺を現実に引き戻す。

逃げ場所としてAを選べば、Aは離れていく。

逃げずに歩き出せば、Aは一緒に歩くのだろう。

すぐ先にある終わりと言うゴールまで。

「A・・・・今日は・・そばに居て、このまま俺を抱きしめて・・」

A「はい」

抱きしめた腕に力をこめて、Aが俺を一層深く抱きしめる。

「今日だけで・・・いいから・・。さっきみたいなこと・・もう言わない」

俺の背中を優しく撫でながら、Aは小さく頷く。

A「ジョンスし、今夜は泊まって行けますか？」

「え？」

A「私も・・・ジョンスしが恋しくて、離れがたいです」

穏やかな時間を望むなら、Aはそれを俺に与えてくれるだろう。

この先にある終わりまで、Aがそれを与えてくれるなら・・・それを望めばいいのかもしれない。

「ん。じゃあ、これに着替えるよ」

テーブルの上の部屋着を指差すと、Aが柔らかく微笑んで頷く。

また、優しい穏やかな時間に戻っていくようだった。

手放せるはずがない。

きっと、終わりが近づけば近づくほど、そう思うに違いない。

でも、それを抗えばあっけなくこの時間が壊れる。