愛しいきみを〜LT ページ37
A「・・・もっと・・・・苦しくなるのに？」
A「始めなければ・・・そんな顔をさせなかった」
Aの言葉に、さっきまでの焦る気持ちが冷めていくのがわかった。
「俺・・・どうかしてる・・・ごめん」
Aを放して、ソファに深く座る。
もう立ち上がれないと思うほど、身体に倦怠感と脱力感を覚えた。
A「ジョンスし・・」
Aは、言葉を探しているように俺の横に浅く座って、俺の腕に触れる。
「Aがそばに居ることに、慣れていくのが怖いんだ・・。その分、Aと離れたときの喪失感が大きい・・・だから、ひとりで焦る。・・・悪いのは・・・おれ」
Aに、顔を見られたくなくて両手で覆う。
A「まだ・・・始まったばかり・・・だから、いまなら・・やり直せます。そばに居ないほうがいいですか？ 」
遠慮がちにAが言うのを聞いて、思わずAの腕を掴んだ。
「それは・・・無理」
A「ジョンスし」
「Aは・・・こんな俺は・・・どう思うの？」
目を閉じたまま、Aに問いかける。
いま、自分が情けない姿をさらしている自覚がある。
俺を見るAの視線を窺うのも辛かった。
A「それも・・全部、ジョンスしですから・・・私の好きな・・・ただひとりのひとですから・・ずっと、愛しいです」
小さくて、優しいAの声に泣きそうになる。
「・・・・っ・・・・甘やかし過ぎるよ・・Aは・・」
目を開けると、泣きそうなのに、笑おうとするAが見えた。
「A・・・泣くの・・我慢してる？」
首を横に振りながら、泣きそうな顔を背ける。
「俺のために・・・我慢してるの？」
黙ったまま、目を伏せるAが・・
愛しかった。
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作者名：みゆず | 作成日時：2013年6月1日 7時
