はじめてを重ねて〜LT ページ16
A「・・ごめんなさい。もぉ・・大丈夫だと思ったんですけど・・」
Aの背中に回した手でトントンとする。
子供をあやすように、抱きしめて・・静かに・・何度も・・。
A「・・だ・・・から、ホントは・・怖いんです。誰かを好きになるのが・・。
また、他が見えなくなっちゃうんじゃないかって・・。
そんな自分が、また、相手の重荷になって・・また・・って疑うのもイヤで・・・・」
こんな思いをさせるために聞いたんじゃない。
自分の好奇心が、Aを 苦しめていると思うと、涙が出そうになる。
「もういいよ。 A、ごめん。俺が悪かったよ。 許して、もう泣かないで」
A「私・・・トゥギヒョンに・・・・聞いて欲しかったのかも知れません。ごめんなさい」
そう言って、Aが 俺の腰に腕を回す。
俺の腕の中で、小さく震えながら 俺を抱きしめるAが、愛しくて堪らない。
「俺は、いまの話が、俺とAをめぐり合わせた。そう思う。 俺が・・・Aのはじめてになるのは・・もぉ無理だけど・・Aを、幸せにしたい」
A「・・トゥギヒョンは・・私の・・・はじめて・・です」
一度身体を離して、Aの顔を見る。
A「こんなに・・・目が逸らせないくらい・・魅力的なひと・・はじめてです」
「Aは・・・本当に、俺を喜ばせるの上手だ」
A「そうやって、私に微笑んでくれるのも・・トゥギヒョンがはじめてです」
「そぉ？」
A「・・・トゥギヒョンと一緒にいると、今までどうだったのか・・忘れてしまったみたいに、全部 新鮮で・・全部はじめてに思えて・・ドキドキします」
Aが、微笑む。
その微笑に、心からホッとする。
「じゃあ、これから はじめてを増やしていこう。Aが、ドキドキするはじめてを・・いっぱい増やしていこう」
Aの頬にキスして、さっき泣いた瞼にも口付ける。
「もう・・聞かない。これからは・・・過去のことは聞かない。俺たちの・・この先のことだけ・・話して行こう」
そして、瞳を閉じたAの唇に 啄ばむように何度も口付ける。
瞳を閉じたまま、うなづくAに 少しずつ深いキスをする。
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作者名：みゆず | 作成日時：2013年6月1日 7時
