偽女子モドキ〝緑〟 (ページ13)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:12,949 hit

女子力　13 ページ13

(倉崎 side)

はぁ、来たくなかったな······。

でも、気持ち切り替えて演じないと。

大倉「倉崎さん、おはようさん。」

げっ·····、大倉くん。

『お、おはようございます。』

めんどくさ、何こいつ。

大倉「あ、ヤスどしたん？」

安田「今日、体操服忘れてもうてん。良かったら、貸してくれへん？」

あ、昨日いた小さい人も。

安田さんね、確か。

大倉「俺の大きいと思うんやけど。」

安田「大丈夫やで、全然。」

大倉「倉崎さんの方がヤスに丁度ええで。」

はっ？え、何でっ！

安田「大倉、持ってきてないんやったら別にはっきり言ってくれてええからな。」

大倉「気付いとったんか。·····でも、借りるなら他の人に貸してもらってな。」

安田「おん。」

ああ、良かった。借りにこなくて。

安田「なぁ、この子さ。すばるくんの元彼女の子？」

大倉「すばるくんて、あのボーカルの？」

安田「おん。めっちゃ似てんけど。」

待って。待って待って、すばる？

安田「俺、すばるくんに写真見せてもらってん！めっちゃ似とんねんけど！」

大倉「えぇ～、そうなんやぁ。そうか、元彼おったんかぁ。」

ヨコ、こいつムカつくな。

『ちょっと、失礼します。』

すばるに追及や。どういうことやねん。

prrrrrr prrrrrr

渋谷「もしもし。どしたん？」

『すばる、バンド仲間に私の写真見せた？』

渋谷「おん。皆が見たい言うから半強制的に。」

はぁ。

渋谷「俺が悪いんとちゃうねんで！」

『そっか····。じゃあ、すばる。あの人たちに私のこと話さんといて。』

渋谷「え、なんで？何かあったんか、お前。」

『いつか、話すわ。じゃあ。』

ﾌﾟﾂ

ああぁっっ！もうっ！

怒りのぶつけ所がない。

もう嫌やぁっ！

何で、あいつらにバレてんねん。

もう高校生活も最悪になりそうやわ。

最悪、何やねん。

·