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第32話 ページ33

京子 side

A、A、A…。

さっきからこの言葉しか浮かんでこない。

『将来が心配だから、形だけでも授業に出ようね。』いつかAに言われた言葉だ。今更これを裏切る訳にはいかない。

ましてや、Aは今頑張ってるんだ。

スケバン専用と言っても過言ではない後ろの方の席に座る私と明美。

いつもAの座っている窓側の後ろの席は静かに空いている。

その席の隣に座る私は、ずっとその席を見ている。

今更だけど、1番左から、窓、A、私、明美の席は神ってると思う。まぁ、スケバンだから当たり前と言ったら当たり前だけど。

ふと右隣を見ると、チラチラと時計を確認しては窓を見て、ソワソワしている明美が目に入った。

秒針が動く音がよく聞こえる。それと共に、自分の心臓の音までよく聞こえる。そのせいで、余計心配になる。

と、突然、ガラガラとドアが開く無機質な音が教室中に響いた。


教室内の生徒も先生も何事かと開いたドアを見る。

??「他校の男子生徒に絡まれちゃいました☆」

今度は呑気な声が教室中に響く。

「A!!」

怪我ひとつないAを見て、安心して思わず叫んでしまった。

A「んふふ。心配してくれてたの?ありがとう。ちょっと遅くなっちゃった。」

そういう彼女を見て明美は、『むしろ早くないすか…?』と驚愕の表情。


そんな明美に、『そう?』という一言だけで返すA。

やっぱり強いんだ。私なんかよりずっと。加えてこんな私にも頭をやらせてくれてるんだ。強いし優しい。


「かっこいい…。」

A「ん?なに?とうとう居ないはずのところに伊藤くんが見えるようになっちゃったの?」

『違う違う!Aのことだ!』と慌てて否定すると、くすくすと笑う。その姿はとても美しかった。


どんな相手だった?とか、開久まで迷わず着いた?とか、他愛のない話を小さな声で続けていたら、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。


スケバンだから、授業に出ることが珍しく、授業中に指されることはありえない。だから話してても文句を言えないのだ。


文句言ったら、

A「誰でも飛ばすよ。」

「うっわ、Aまでエスパーになってんじゃん。」

明美も、『さすがに今のは怖い。』と言って、3人で笑い合った。

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玲美(プロフ) - 面白いです!!💕 (3月20日 4時) (レス) @page50 id: e0cb024252 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゆみゆぽん | 作成日時:2019年1月2日 17時

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